佐々木動物病院

お問い合わせは059-394-3050


各種予防について

ホーム > 各種予防について > 犬の予防接種について

犬の予防接種について

ワクチン接種は、伝染病を予防する・重症化させない為に不可欠なものです。
ワクチンの効果を最大限にするには、いつ接種するかのタイミングが重要です。

特に子犬の場合は、生まれる時に親から貰った免疫(移行抗体)が残っているので、これが切れる時期を見計らってワクチンを接種することが大切です。

また、健康状態や体質によっては副作用の危険や十分な免疫を獲得できない場合もありますので、ワクチンの前に健康状態を確認させていただきます。

子犬の一般的な場合

生後42日〜60日からスタートして1ヶ月ごとに計3 回のワクチン接種をお勧めします。それ以降は、毎年一回の追加接種を行います。

子犬に3回のワクチン接種をおすすめするワケ
子犬は産まれてすぐに母犬の母乳を飲みます。
この、初めての母乳を『初乳』と言います。
初乳には母犬の持っている免疫が含まれていて、まだ病気に対する抵抗力を持たない子犬の体を様々な
病原体から守る働きをします。
この初乳に含まれる免疫を、『移行抗体』と言います。
ただこの移行抗体は出生後、日を追うごとに少なくなっていきます。
移行抗体は42日〜150日で消失すると言われています。
母犬からの免疫力を失った子犬は病原体に対して無抵抗な状態ですので、それを補うためにワクチンを
接種しなくてはいけません。
しかし、母体から貰った移行抗体が多く残った状態では、ワクチンの成分(抗原)を母犬の抗体がやっつけてしまい思うように効果が上がらないので、ワクチン接種は移行抗体の残量が減った状態がベストとなります。ということで、「最も早く抗体が切れてしまうケース」を想定して、第一回目のワクチン接種をします。それが、最短で生後42日目といわれています。
しかし、その第一回目はもしかしたら移行抗体が残っていて、子犬自身が抗体をつくっていないかもしれません。そこで、その後1ヵ月後に第2回目のワクチンを接種します。
さらにさらに、この時期でもお母さん抗体ががんばっている場合があり、同じく抗体がつくられていないかもしれません。そのため、念押しで2回目から一ヵ月後に第3回ワクチン接種をします。
かくして、「子犬には生後42日〜60日を第1回目として一ヵ月おきに計3回」というワクチン・スケジュールができあがったわけです。

成犬が初めて接種する場合

その時点でワクチンを接種し、その4週間後に2回目の接種をします。
それ以降は毎年1回の追加接種を行います。

ワクチンの種類

  • 6種(犬パルボウイルス感染症、犬ジステンパー、犬伝染性肝炎、犬アデノウイルス2型感染症、犬パラインフルエンザ、犬コロナウイルス感染症)
  • 9種(上記に、犬レプトスピラ感染症のコペンハーゲニー型、カニコーラ型、ヘブドマディス型の3種を加えたもの)
ワクチンで予防できる病気について
犬パルボウィルス
感染症
食欲がなくなり、衰弱して発熱や嘔吐、激しい下痢がみられます。重症になると脱水症状が進み、短時間で死亡することもあります。伝染力が強く、死亡率の高い病気です。
犬ジステンバー 高熱、目ヤニ、鼻水が出て、元気や食欲がなくなります。嘔吐や下痢をしたり、ふるえやケイレンなどの神経症状を起こす場合もあります。麻痺などの後遺症が残る場合があります。死亡率の高い病気です。
犬伝染性肝炎 発熱、腹痛、嘔吐、下痢が見られ、元気や食欲がなくなります。時には目が白く濁ることもあります。症状の程度は様々ですが、全く症状を示すことなく突然死することもある恐ろしい伝染病です。
犬アデノウィルス
2型感染症
発熱、食欲不振、くしゃみ、鼻水のほか、短く乾いた咳がみられ、肺炎を起こすこともあります。他のウィルスや細菌との混合感染により症状が重くなり、死亡率が高くなる呼吸器病です。
犬パラインフルエンザ
ウィルス感染症
鼻水や咳、発熱などがみられます。犬アデノウイルス2型など他のウイルスや細菌との混合感染や二次感染が起こると重症になり、死亡することもあります。伝染性が非常に強い病気です。
犬コロナウイルス
感染症
主に嘔吐や下痢を起こします。犬パルボウイルスなど他のウイルスと混合感染すると症状が重症化します。
犬レプトスピラ
感染症
レプトスピラという細菌の感染が原因で、カニコーラ型、ヘブドマディス型、コペンハーゲニー型などがあります。嘔吐、下痢、黄疸、多飲多尿など消化器疾患、肝疾患、腎疾患に関連する多くの症状がみられます。人にも感染する恐ろしい病気です(人獣共通感染症)。

この中で非常に重篤ですべての犬に接種が勧められる(コアワクチン)ものはジステンパー・アデノ・パルボウイルスです。これらはすべて6種ワクチンに含まれています。
9種ワクチンに含まれるレプトスピラ症は、げっ歯類(ネズミなど)の排泄物から感染する人畜共通感染症で非常に重要な病気ですので、6種にするか9種にするかはワンちゃんの生活環境によって検討が必要だと思います。

三重県ではレプトスピラ症の発生報告が過去にあるため、当院では通常は9種ワクチンをおすすめしていますが、ほとんど外出しないようなワンちゃんやワクチンアレルギーの可能性がある場合は6種ワクチンをおすすめしています。

ワクチンアレルギーについて

ワクチン接種後にアレルギー反応を起こす事がまれにあります。
可能性は低いながら、アナフィラキシーショック(血圧低下)という重篤なアレルギー反応を起こす事もあり、これは緊急治療をしないと命にかかわります。アナフィラキシーショックは通常接種直後〜30分以内に発生しますのでワクチン接種の後はしばらく院内、もしくは病院の近くで様子をみていただくのが安全だと思います。

その他の反応として、顔が腫れる(血管浮腫)、蕁麻疹、発熱、元気消失、注射部位の疼痛や硬結があります。
これらの反応は遅いと半日〜1日位経ってから症状が出る事もありますのでワクチンはなるべく午前中に接種する事をお勧めします(夕方接種すると深夜に症状が出てしまう可能性があります)。

ワクチン接種後の注意

ワクチン当日はワクチンアレルギーの症状がでないか、帰宅後も様子を見てあげてください。
注射後2〜3日間は安静につとめ、激しい運動、シャンプーなどは控えてください。
免疫(予防効果)が得られるまでの2週間は、他の動物との接触を控えてください。

同時接種について

当院では狂犬病予防注射と混合ワクチンの同時接種は基本的に行っていません。
狂犬病ワクチン(不活化ワクチン)後は1週間以上、混合ワクチン(生ワクチン含む)後は4週間以上間隔を空けて他ワクチンを接種できます。

各種予防

▲ページトップへ

佐々木動物病院

夜間動物緊急診療所

スタッフ募集!動物看護士・トリマー